クロワッサンとキプフェル

このところ、様々なホテルやレストラン、カフェのアフタヌーンティーの記事を見かけます。
以前よりアフタヌーンティーが、身近になっているのでしょうか。
アフタヌーンティーの彩り豊かなスイーツやセイボリーは、心もお腹も大満足。目にも麗しく、華やかな気持ちになります。


フランス風のアフタヌーンティーに供されるクロワッサンは、オーストリアが起源といわれています。

1683年の第二次ウィーン包囲の時に、深夜のトルコ軍の動きに気づいたパン屋が、オーストリア軍に知らせて、見事、オスマン帝国を打ち破ったという逸話。勝利を祝してトルコ軍の旗のシンボルである三日月を模したパンを作って食べたというのです。
ただ、三日月型のパンは、以前からオーストリアにはあったようです。

第二次ウィーン包囲の時の神聖ローマ皇帝はレオポルト1世。ハプスブルク家は、レオポルト1世、カール6世の時代にスペイン継承戦争で、フランスと争いました。カール6世の王女マリア・テレジアは、オーストリア継承戦争で、フランスと戦うことになります。
マリー・アントワネットがフランスに嫁ぐのは、このような背景があったからです。

三日月型のパン、キプフェルは、マリー・アントワネットがフランスに輿入れする時に連れて行ったハプスブルク家のデンマーク人パン職人から、フランスに伝わりました。

その後、1830年代には、ウィーンのパン職人がウィーン風のパンをパリで売り出し、1900年代初頭に、今のクロワッサンのレシピが完成しました。贅沢なウィーン風のパンはヴィエノワズリーと呼ばれ、今では私たちの食卓にも上っています。


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