2024.09.05 09:23宝塚版『ベルサイユのばら』の不思議今年は宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』初演から50年。上演時のトップスターの個性に合わせて「オスカル編」「オスカルとアンドレ編」「フェルゼン編」「フェルゼンとマリー・アントワネット編」と様々に、大劇場・東京宝塚劇場で17回、地方公演・全国ツアーで13回、海外公演2回。地方公演・全国ツアーで外伝が、「アンドレ編」「ジェローデル編」「ベルナール編」。「アンドレ編」は大劇場・東京宝塚劇場でも上演されました。以前は人物と宮廷社会にスポットが当たっていましたが、平成から革命色が強くなり、ロベスピエール(1758.5.6~1794.7.28)やベルナール・シャトレの出番が増えています。原作の『ベルサイユのばら』は、池田理代子先生のインタビューなどを拝読すると、オス...
2024.09.02 11:00ポール・ポワレと『琥珀色の雨にぬれて』先日、ライブ配信で宝塚歌劇団月組全国ツアー公演『琥珀色の雨にぬれて』『Grand TAKARAZUKA 110!』を見ました。『琥珀色の雨にぬれて』は、第一次世界大戦後のパリを舞台に、空軍を除隊したクロード・ド・ベルナール公爵とマヌカンの女性シャロンの儚い恋を描く物語です。ベル・エポックは遠く、世界恐慌前の爛熟期。まだ珍しい自動車、1922年に登場するル・トラン・ブルー、ヨーロッパとトルコを繋ぐオリエント急行など時代の息吹を感じるセリフや場面が散りばめられ、台頭する新興勢力の資産家と旧世界の貴族の対比も見どころです。ヒロインのシャロンはポール・ポワレ(1879.4.20~1944.4.30)のマヌカンとして名を馳せるのですが、ポール・ポワレも時代の象徴...
2021.11.09 09:30麗しき人の薔薇先日、デュセス・ド・モントベロ(Duchesse de Montebello) という名の薔薇を紹介したブログを拝読しました。美しいピンク色の薔薇は、ナポレオン1世(1769~1821)二人目の皇妃、マリー=ルイーズ(1791~1847)の女官長モンテベッロ公爵夫人(1782~1856)に捧げられたのだそうです。モンテベッロ公爵夫人ルイーズ=アントワネットは宮廷一の美女との誉れ高い女性で、ナポレオン軍のジャン・ランヌ元帥(1769~1809)の二度目の妻になりました。ランヌ元帥はナポレオンに「勇者の中の勇者」と言わしめた軍人で、1804年、ナポレオンが帝位に就くと元帥に叙せられた勇者です。しかし、家庭には恵まれず、最初の妻は他の男性と子をなして離婚。ナ...
2021.11.05 09:30虚像で語られるマリー=アントワネット11月9日に開催されるクリスティーズのオークションに、以前このブログにも記した、マリー=アントワネットが残したブレスレットが出品されるニュースが、昨日は様々なメディアで取り上げられていました。王妃マリー=アントワネットからマリー=テレーズ内親王へ、さらに欧州の王室へ旅したブレスレットは、どのような方に受け継がれていくのでしょう。
2021.11.02 06:00マリー=アントワネットがインスピレーション11月2日はマリー=アントワネットの誕生日です。1755年にオーストリアのホーフブルク宮殿で生まれたマリア=アントニアは、1770年5月16日にフランス王太子ルイ=オーギュストと結婚して、マリー=アントワネットとしての人生が始まりました。14歳と15歳の若い二人の結婚は、長きにわたるオーストリアとフランスの確執を、幸福な未来へ導く結びつきのはずでしたが、時代の波は容赦なく二つの国を引き裂き、外つ国から来た王妃は犠牲となるのです。マリー=アントワネットの贅沢は国を滅ぼしたといわれますが、王室の予算は当時のフランスの国家予算の6%。その中にアントワネットの経費が含まれていました。また、意外に倹約家のマリー=アントワネットは、コーディネートを変えてドレスの着...
2021.10.07 17:15美しい人マリー=エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン夫人の名前を知らなくても、青いドレスを着て淡いピンクの薔薇を手にしたマリー=アントワネットの肖像画を目にした方は多いでしょう。
2021.09.23 09:15二人の皇女の人生マリー=アントワネットとマリー=ルイーズは、ハプスブルク家に生まれ、外交政策の一環としてフランスに嫁いだ大公女です。マリー=アントワネットはフランス王国ブルボン朝5代目の王ルイ16世妃、マリー=ルイーズはフランス帝国ボナパルト朝初代ナポレオン1世妃。マリー=アントワネットの結婚は1770年5月16日、マリー=ルイーズは1810年4月1日です。この間にフランス革命が起こり、フランス革命戦争、ナポレオン戦争の末、神聖ローマ帝国は消滅。マリー=アントワネットの父フランツ1世シュテファンは神聖ローマ帝国皇帝でしたが、マリー=ルイーズの父フランツは神聖ローマ皇帝フランツ2世からオーストリア帝国皇帝フランツ1世になりました。マリー=ルイーズの父は、アントワネットの...