1754年8月23日、ベリー公ルイ=オーギュストが誕生した時、後にルイ16世となり、ブルボン朝の幕を一時下ろすことになるとは誰も想像しなかったでしょう。
周囲の期待を集めた兄ルイ=ジョセフが亡くなり、父のルイ=フェルディナン王太子が亡くなり、祖父ルイ15世の後継者となったとき、ルイ=オーギュストは11歳。帝王学も学んでいない少年です。
ルイ=オーギュストは賢い少年ですが、内気で人見知り、ダンスが苦手でウィットに富んだお洒落な会話が苦手。話しかけられるとよく考えてから答えるので、華麗なヴェルサイユでは愚鈍な人間と誤解されてしまいます。
ルイ16世として即位した後も、若い頃はマリー=アントワネットにも「あの可哀想な人」といわれたルイ=オーギュスト。1歳しか違いませんが、ルイ16世を理解するにはアントワネットは幼かったのでしょう。
堅実なルイ16世と華やかなマリー=アントワネットは、全く類似点が無いように思えますが、二人には王家の人間という強い意識が共通しています。
フランス革命が勃発しなかったら、善王として歴史に残ったかもしれない国王は、僅か38年で生涯を終えました。
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