2022.11.23 08:02仮面の下のよみうりカルチャー横浜「マンガで読む18世紀 貴族編」今日取り上げたのは上原きみ子先生の『マリーベル』、森村あすか先生の『ラ・セーヌの星』、英洋子先生の『スカーレット・スコール』で、いずれも仮面の義賊が活躍します。 🌹歴史の事実や実在の人物と、オリジナルの物語が交差する面白さ。『マリーベル』と『スカーレット・スコール』は、1905年に発表されたバロネス・オルツィの『紅はこべ』を原案としていますが、どちらも全く違うストーリー展開で、共通しているのは仮面の義賊の登場と劇団・芝居が使われているところでしょうか。『ラ・セーヌの星』は、ヒロインはもちろん、後に結ばれる憧れの男性も仮面の義賊。処刑台への導かれそうな人を、悪政...
2022.11.15 08:00アントワネット様の御用達日本工業大学オープンカレッジ 「フランス革命を懸命に生きた人々」第4回の今日は、マリー=アントワネットの御用達がテーマでした。御用達といえば、なんといっても有名なのは"モード大臣“ローズ・ベルタンことマリー=ジャンヌ・ベルタンでしょうか。ベルタンはマリー=アントワネットの衣装を1774年から、亡くなる1793年まで手がけたピカルディー生まれのモード商人です。ローズ・ベルタンとは後に付けられた呼称で、当時はマドモアゼル・ベルタンと呼ばれていました。マリー=アントワネットとマドモアゼル・ベルタンが生み出したモードの数々は、現代にもロココスタイル、アントワネット風として影響しています。 🌹もう一人、髪結い師のレオナール=ア...
2022.11.09 08:40110年の物語今日は「マンガで読む18世紀 貴族編」第3回取り上げたのは『ベルサイユのばら』の外伝とエピソード編です。中でも連載終了後すぐに発表された「黒衣の伯爵夫人」は、コミックの10巻で知られていると思います。この作品は1787〜8年頃、黒い騎士がパリで話題になっている頃が舞台。1984〜5年まで月刊Jamに連載された後、コミック上下巻で発売された「ル・ルーと一緒に来た人形」「ジャルジェ将軍の息子あらわる⁈」「トルコの海賊と修道女」「悪魔のくすり」も、1787〜8年頃となります。「悪魔のくすり」後編は、雑誌では未発表でした。外伝シリーズの面白さは、16〜17世紀に実際に起きた事件や、18世紀のフランスの外交関係、貴族と王族の特権が読み取れることでしょう。 ...
2022.11.02 13:00ルイ16世とオルレアン公日本工業大学オープンカレッジ 公開講座 近世歴史考教室「フランス革命を懸命に生きた人々」昨日、第3回のテーマは【真実と陰謀】ルイ16世の宮廷とオルレアン公のパレ・ロワイヤルでした。愚鈍、優柔不断、鈍感、怠惰、凡庸…ルイ16世は、かなり誤解されて伝えられている人物だと思います。知的で歴史に造詣が深く、理数系、語学に通じ、身長190cmの痩せ型。結婚式の夜、旺盛な食欲をみせたというのも後に作られた話のようです。肥満気味になったのは中年以降。兄ブルゴーニュ公を亡くし、両親を亡くし、突然、王太子になってしまった少年ベリー公(ルイ16世)は、兄ではなく自分がいなくなればよかったと考えます。教育係のマルサン夫人が可愛がるのは、ベリー公へのライバル意識が強烈な弟プロ...