マリー・アントワネットのスタイル

マリー・アントワネットのファッションは、今も多くのインスピレーションを与えています。
オーストリアからフランスに来た時は、まだ14歳の少女でしたが美意識は優れたものがあり、私室の装飾や調度品の選択は確かなものでした。

その感性が生かされた一つはプティ・トリアノン。ルイ16世から贈られたブーケは、アントワネットの手によって見事に花開き、ロココの美と新古典主義の美を今に伝えています。

もう一つ、アントワネットのセンスが素晴らしいのはファッション。
豪華な盛装も美しいのですが、マリー・アントワネットが好んだのは、デザインも素材も簡素で軽快なものです。
赤字夫人などと揶揄されていますが、アントワネットが使ったのは王室歳費のごく一部。アントワネットの宝石やローブだけで国が傾いたとは、とうてい考えられません。

マリー・アントワネットは、悲劇の王妃として記憶されるだけではなく、自らの美学を貫こうとした王妃としても記憶されています。

2017年
「デビュー50周年記念展 池田理代子 ーベルサイユのばらとともにー」より

薔薇の小部屋

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