先日、デュセス・ド・モントベロ(Duchesse de Montebello) という名の薔薇を紹介したブログを拝読しました。
美しいピンク色の薔薇は、ナポレオン1世(1769~1821)二人目の皇妃、マリー=ルイーズ(1791~1847)の女官長モンテベッロ公爵夫人(1782~1856)に捧げられたのだそうです。
モンテベッロ公爵夫人ルイーズ=アントワネットは宮廷一の美女との誉れ高い女性で、ナポレオン軍のジャン・ランヌ元帥(1769~1809)の二度目の妻になりました。
ランヌ元帥はナポレオンに「勇者の中の勇者」と言わしめた軍人で、1804年、ナポレオンが帝位に就くと元帥に叙せられた勇者です。しかし、家庭には恵まれず、最初の妻は他の男性と子をなして離婚。ナポレオンの妹カロリーヌことマリア=アヌンツィアータ(1782~1839)に求婚しようとするも、ジョアシャン・ミュラ(1767~1815)に惹かれたカロリーヌはミュラと結婚してしまいます。幸いにしてナポレオンの紹介で美貌の妻を得たランヌ元帥は、仲睦まじい家庭を築き、5人の子供にも恵まれましたが、オーストリア戦役の戦いの一つ、アスペルン・エスリンクの戦いで重傷を負い、その傷が元で死去しました。
ナポレオンが未亡人となったモンテベッロ公爵夫人を、ハプスブルク家から迎えた皇妃マリー=ルイーズの女官長に任命したのは、彼女の聡明で誠実な人柄を信頼したからです。
国のためにナポレオンに嫁いだマリー=ルイーズが唯一、心を許した女性がモンテベッロ公爵夫人。ナポレオンが流刑に処された後は、帰国するマリー=ルイーズに従ってオーストリアにも赴きました。
麗しい女性の名は、薔薇の名となり現代に伝わっています。
GARDEN STORY
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